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要素の活性化・非活性化¶
要素の活性化・非活性化は,施工順序,損傷進展,段階的な構造変化を要素グループ単位で表現する構造静解析向けの機能である.このページでは,固定モード,時間テーブルモード,応力・ひずみ閾値モードの違いと選び方を説明する.
機能の全体像¶
要素の活性化・非活性化は,!ELEMENT_ACTIVATION で要素グループ単位に定義し,ステップ側で対応するグループを有効化して用いる.構造静解析では,ステップで有効化していない要素活性化設定の対象要素は活性状態として扱われる.!STEP のデータ行(ELEMACT, id)による有効化グループの指定書式は,!STEPを参照.ステップ制御全体の考え方は,ステップ制御を参照.
構造静解析で非活性化された要素は通常の要素としては寄与せず,数値安定化のためのダミー剛性係数を持つ.係数値の書式と既定値は,!ELEMENT_ACTIVATIONを参照.
| モード | 状態の決まり方 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 固定モード | 要素グループを活性または非活性として直接指定する | 施工順序,部材の段階的追加・除去 |
| 時間テーブルモード | !AMPLITUDE で定義した時間テーブルの値で活性・非活性を切り替える |
溶接など既知の時刻歴に従って要素が出現・消失する解析 |
| 応力・ひずみ閾値モード | 応力またはひずみの判定値が指定範囲を外れると非活性化する | 損傷進展,破断・除去を伴う近似モデル |
固定モードは,ステップで有効化された時点の状態をそのまま適用する.時間テーブルモードと応力・ひずみ閾値モードは,各サブステップで要素状態を更新する.
ステップごとに異なる要素グループを有効化できるため,固定モードで初期の施工順序を表し,別のステップで応力・ひずみ閾値モードを有効化するような使い分けもできる.ただし,同じ要素を複数の要素活性化設定に含めると,後段の設定で状態が上書きされる場合があるため,原則として対象要素グループを重ねない.
固定モード¶
固定モードでは,対象の要素グループを活性または非活性として直接指定する.ステップ内で応力,ひずみ,時刻に応じて自動的に状態が変わることはない.
施工順序を表す場合は,未施工部材を非活性にする制御グループを用意し,施工前のステップでそのグループを ELEMACT に指定する.部材を追加するステップ以降では,対応する非活性化グループを ELEMACT から外すことで,対象要素を活性状態として扱う.
固定モードは最も単純で,解析者が要素状態を完全に制御できる.一方,荷重履歴や損傷判定に応じた自動切替は行わないため,状態変化の時刻が既知である問題に向いている.
時間テーブルモード¶
時間テーブルモードでは,!AMPLITUDE で定義した時間テーブルの値により要素状態を切り替える.テーブル値が 0.5 を超える場合は活性,0.5 以下の場合は非活性として扱う.
このモードは,要素状態の時刻歴があらかじめ決まっている問題に向いている.たとえば,溶接解析で熱源の進行に合わせて溶接金属要素を順次出現させるような,既知の時刻歴に従って要素が出現・消失するケースを表現できる.時刻 0 から 1 までは非活性,時刻 1 以降は活性にする,あるいは解析途中で一時的に非活性化する,といった制御もテーブルで表せる.
時間テーブルの定義方法と,他の境界条件・荷重での使い方は,境界条件・荷重ページの時間テーブル節を参照.!AMPLITUDE の入力書式は,!AMPLITUDEを参照.
応力・ひずみ閾値モード¶
応力・ひずみ閾値モードでは,判定量として応力またはひずみを選び,その Mises 相当値が指定範囲から外れた要素を非活性化する.判定範囲は下限値と上限値で与え,範囲内にある要素は活性を保つ.
このモードは,材料損傷や破断を簡易的に表現したい場合に使う.判定はサブステップごとに行われ,閾値範囲を外れた要素は活性から非活性へ移行する.同じ応力・ひずみ閾値モードを有効化している間,一度非活性化した要素は再活性化しないため,可逆的な開閉や回復を表す用途には向かない.損傷を後続ステップでも不可逆に扱う場合は,同じ要素活性化設定を後続ステップでも有効化し続ける.
応力を基準にする場合は応力状態から,ひずみを基準にする場合はひずみ状態から判定値を計算する.閾値の物理単位と大きさは,選んだ判定量と材料モデルに合わせて設定する.入力書式は,!ELEMENT_ACTIVATIONを参照.
関連項目¶
- ステップ制御 — ステップごとの
ELEMACT指定と,自動増分・カットバックとの関係. - !STEP —
ELEMACTをはじめとするステップデータ行の入力書式. - 境界条件・荷重 —
!AMPLITUDEによる時間テーブル制御の概要. - !ELEMENT_ACTIVATION — 要素活性化の入力書式とパラメータ.
- !AMPLITUDE — 時間テーブルの入力書式.