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3 次元ソリッド要素の形状関数¶
形状関数と有限要素近似 で導入した形状関数 \(N_\alpha^e(\boldsymbol{r})\) について,FrontISTR が連続体解析で用いる 3 次元ソリッド要素の自然座標系と具体形を本章にまとめる.対象は四面体 1 次/2 次(341・342),三角柱 1 次/2 次(351・352),六面体 1 次/2 次(361・362)の 6 タイプである.HEC-MW メッシュ形式での節点並び順・面番号は機能リファレンスの 要素ライブラリ を参照されたい.
これらの形状関数とヤコビアン行列式から要素積分が組み立てられる手続きは 数値積分 に従う.361 の B-bar・F-bar・非適合定式化および梁・シェル要素の形状関数は 高性能要素定式化 で扱う.
自然座標系と内部節点並び¶
形状関数は要素ごとの自然座標 \(\boldsymbol{r}\) 上で定義される.3 次元ソリッド要素では,要素形状に応じて次の 3 種類の自然座標系を用いる.
- 六面体(361・362):\(\boldsymbol{r} = (\xi, \eta, \zeta)\),\(-1 \le \xi, \eta, \zeta \le 1\).
- 四面体(341・342):体積座標 \((L_1, L_2, L_3, L_4)\),\(L_1 + L_2 + L_3 + L_4 = 1\),\(L_i \ge 0\).独立変数として \(\boldsymbol{r} = (L_2, L_3, L_4)\) を取り,\(L_1 = 1 - L_2 - L_3 - L_4\) で定める.
- 三角柱(351・352):底面三角形の体積座標 \((\xi, \eta)\)(\(0 \le \xi, \eta\),\(\xi + \eta \le 1\))と軸方向座標 \(\zeta \in [-1, 1]\) を組合せて \(\boldsymbol{r} = (\xi, \eta, \zeta)\) とする.補助量 \(a = 1 - \xi - \eta\) を底面の第 3 体積座標として用いる.
要素節点番号は,1 次要素では HEC-MW 入力形式と内部形式が一致する.2 次要素では辺の中間節点並びの規約が両形式で異なり,FrontISTR は HEC-MW 形式(角節点を周回した後,辺 1-2,2-3,… の順に中間節点を並べる)を入力で受け付ける一方,要素ライブラリの形状関数は別の節点並びを前提として実装されている.
両形式の差異は,メッシュ読込み直後に呼ばれる hecmw2fstr_mesh_conv が要素ごとに並び替えを行うことで解消される.3 次元ソリッド要素のうち変換対象となるのは次の 2 タイプである.
| 要素タイプ | 変換テーブル | 内容 |
|---|---|---|
| 342(四面体 2 次) | Table342 |
10 個の節点を \(\{1,2,3,4,7,5,6,8,9,10\}\) に並び替える |
| 352(三角柱 2 次) | Table352 |
15 個の節点を \(\{1,2,3,4,5,6,9,7,8,12,10,11,13,14,15\}\) に並び替える |
並び替えは要素接続情報の格納配列に対して直接行われるため,以降の要素ライブラリ呼び出しではすべて FrontISTR 内部の節点並びが用いられる.六面体 2 次要素 362 については HEC-MW 入力形式と FrontISTR 内部形式の中間節点並びが一致するため変換テーブルは存在しない.結果出力時には逆変換 fstr2hecmw_mesh_conv を呼んで HEC-MW 形式の節点並びに戻したうえで書き出すため,入出力ともにユーザは HEC-MW 形式のみを意識すればよい.以下に示す形状関数の節点番号は,変換後の FrontISTR 内部形式によるものである.
1 次要素の形状関数¶
四面体 1 次要素(341)の形状関数は体積座標そのものである:
三角柱 1 次要素(351)の形状関数は,底面三角形の線形形状関数(\(a, \xi, \eta\))と軸方向の線形形状関数(\((1-\zeta)/2, (1+\zeta)/2\))の積である:
六面体 1 次要素(361)の形状関数は 3 軸方向の線形形状関数のテンソル積である:
ここで \((\xi_\alpha, \eta_\alpha, \zeta_\alpha)\) は節点 \(\alpha\) の自然座標値(各成分は \(\pm 1\))を表す.
2 次要素の形状関数¶
四面体 2 次要素(342)の形状関数は,角節点 4 個と辺の中間節点 6 個に分かれる:
中間節点 5〜10 はそれぞれ辺 1-2,2-3,1-3,1-4,2-4,3-4 の中点に対応する.
三角柱 2 次要素(352)の形状関数は,角節点 6 個,三角形面上の辺中間節点 6 個,軸方向稜の中間節点 3 個から構成される:
中間節点 7〜9 は底面三角形(\(\zeta = -1\))の各辺中点,10〜12 は上面三角形(\(\zeta = +1\))の各辺中点,13〜15 は軸方向稜の中点に対応する.
六面体 2 次要素(362)は Serendipity 族の 20 節点要素である.節点 \(\alpha\) の自然座標値を \((\xi_\alpha, \eta_\alpha, \zeta_\alpha)\) と置く.角節点(\(\alpha = 1, \ldots, 8\),各成分は \(\pm 1\))について
辺中間節点(\(\alpha = 9, \ldots, 20\),3 つの自然座標のうちひとつが \(0\),残り 2 つが \(\pm 1\))について,\(\xi_\alpha = 0\) となる節点(辺方向が \(\xi\) 軸)は
辺方向が \(\eta\) 軸,\(\zeta\) 軸の中間節点も同様に,対応する自然座標を 2 乗の項で消した形で与えられる.
関連項目¶
- 形状関数と有限要素近似 — 形状関数 \(N_\alpha^e\) の数学的定義
- 形状関数の空間微分 — 形状関数のグローバル座標微分とヤコビアン
- 数値積分 — 積分点・重みと要素積分の近似形
- 高性能要素定式化 — B-bar・F-bar・非適合要素・シェル・梁
- 要素ライブラリ(機能) — HEC-MW 形式での節点並び順と面番号
- 物理量の記号一覧